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堂安律・本田圭佑を育てた“伝説のスカウト”二宮博が語る、一流に共通する人間力とは

才能ではない、努力が人を一流にする

サッカーJ1のガンバ大阪で多くの有望選手を輩出し「伝説のスカウト」と呼ばれた二宮博さん(現バリュエンスホールディングス株式会社・社長室シニアスペシャリスト)が、学生に「一流の共通点」「人間力」を伝えた。12月19日、京都市北区の京都産業大学で「スポーツと人間形成」(淡路靖弘教授)の講義に登壇。

日本代表として活躍する堂安律(フランクフルト)や鎌田大地(クリスタルパレス)、本田圭佑らの育成年代に携わったスカウトとして、目標設定の方法、諦めない思考、苦境から這い上がる術などを、映像などを使いながら90分間熱弁。約300人の生徒が聞き入った。

背番号10を背負い、日本を代表する選手に成長した堂安は、小学校時代にセレッソ大阪のセレクションに落ちた経験が、さらに努力をするきっかけになったという。欧州でプレーをする現在、流暢な英語でメディアのインタビューに答える映像を流して、歩んできた道のりを明かした。

「スカウトとしてたくさんの選手を見てきましたが、負けて、失敗をして、そういう人の方がどんどん成長をしています。堂安選手は小学生の頃に悔しさを経験して、家の中で泣きじゃくって、それから目の色を変えて『1番を目指すんだ』という思考になった。お母さんに聞くと、中学の頃は英語が全然できなかったけれど、今は驚くほど流暢に英語を使いこなしています。プロ選手は海外に行けば通訳が入るけれど、1番いいのは直接コミュニケーションをとること。長く(海外で)活躍する選手に共通しているのが人間力で、成功しにくい人は通訳に全てを任せてしまっています」

22年カタールW杯で堂安はドイツ戦、スペイン戦でゴールを決める大活躍で日本を決勝トーナメント進出へと導いた。帰国後、ガンバ大阪の関係者らと集まった際に、堂安から「二宮さん、いつも僕のことを良くしてくださって、ありがとうございます」との言葉をもらったという。

「人はすぐに感謝の気持ちを忘れてしまう。そうやって、たくさんの才能が埋もれていくのを見てきました。しかし、堂安選手は感謝を忘れることがないのです。日本を代表する選手になっても決して天狗にはならないから、もっと伸びる。『ありがとう』の数だけ人生は変わることができるのです」

二宮さんは学生へ問いかける。

「自分の強みを知っていますか」

「自分自身の可能性を信じていますか」

どんな人にでも無限の可能性がある。それを自己認識し、どうやって成長していくかで、今後の人生が変わる。

「できない選手は『だって』『どうせどうせ俺なんて』という言い訳を探している。1ミリでもい、たった1%でもいい。プロで長く続けている選手は、そうやって努力をし続けています。練習時間ギリギリに来る選手はたいてい結果が出ない。ギリギリに来て成功している選手は見たことがありません。ほんの1ミリ、ほんの1センチでもいいです。毎日、努力を積み重ねてきた選手がうまくいく」

サッカー日本代表の三苫薫(ブライトン)、ドジャースの大谷翔平らの映像を使って分かりやすく、そして確かな熱を帯びながら伝えていく。その講義に学生は何かを得た様子で、聞き入っていた。

多くの有望選手を発掘し、育てた一方で、多くの才能も消えていったという。

「うまく導いてやれなかった選手もいます。プロとは1年、1年の勝負。僕が話をしても聞く耳を持ってくれなかった選手は、そこまでの夢や目標を持っていなかったのだと思います。サッカーの練習は1日2時間ほど。残りの22時間を何に使うのか、それを考えられる選手が成長する。素質や才能があっても、残りの22時間を無駄に使ってしまう選手はそれ以上は伸びないことが多い」

なぜ補欠だった本田圭佑は世界へ行けたのか?

日本代表で中心となり、ACミランで10番を背負った本田圭佑は中学時代、ガンバ大阪のジュニアユースに在籍。高校年代のユース昇格を逃し、それを面談で伝えたのが二宮さんだったという。

2024年夏、久しぶりに本田と再開した際、こう問われた。

「二宮さん、僕がこうなると思っていましたか?」

素直にこう答えたという。

「申し訳ありません。全然思っていませんでした」

挫折を味わった本田のそれからの努力は、想像を絶するものだった。

「中学時代に補欠だった選手が、なぜ世界の本田になれたのか?」

その答えを、二宮さんは教えてくれる。

人間の可能性をー。

天才が一流になるのではなく、努力できる人が一流になるというリアルストーリーを。

(取材、構成=SUNLOGUE編集部)

 

G大阪伝説のスカウトが明かした本田圭佑との知られざるエピソード 京産大で講義(デイリースポーツ)>>

 

▪️二宮博(にのみや・ひろし)

1962年2月、愛媛県生まれ。中京大学卒業後、公立中学校の保健体育教諭として10年間、人材育成の現場に立つ。1994年よりJリーグ・ガンバ大阪のスカウトとして本田圭佑、鎌田大地、堂安律ら日本代表選手を発掘・育成。スカウト編成部長、アカデミー本部長を歴任し、「育成のガンバ」と称される組織文化の礎を築いた。2021年、定年を前に退社後、自らがスカウトした元ガンバ大阪の嵜本晋輔氏が代表を務めるバリュエンスホールディングスに入社し現在は社長室シニアスペシャリストとしてスポーツ関連事業に携わる。多くの大学で学生に「人間力」をテーマとした講義を行い、企業研修や講演でも高い評価を得ている。著書に『一流の共通点』(徳間書店)がある。

 

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