東京五輪代表MF塩越柚歩が輝きを増す2026年
【なでしこ新春独占インタビュー】
サッカー女子「なでしこジャパン」東京五輪代表のMF塩越柚歩(28)にとって、2026年は輝きを増す年になる。浦和から日テレ・東京ヴェルディベレーザ(東京NB)に移籍した今季は14試合8得点の活躍で、WEリーグ得点ランク2位タイ。チームも12チーム中3位で2連覇を狙える位置にいる。「今」を大切にしながら1歩、1歩、成長してきた女子サッカー界のヒロインに独占インタビューした。(SUNLOGUE編集部)
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初の得点女王へ、東京ベレーザに移籍し14戦8発
関東に木枯らしが吹いた日、彼女は水色の可愛らしい愛車で待ち合わせ場所にやって来た。
オシャレで素敵な女性だった。
私服姿は、いい意味でアスリートには見えない。
そして、彼女の言葉もまた、アスリート特有のものとは少し違うように感じた。
「昔から夢を必死に追いかけるようなタイプではなくて、『今』を頑張っていたら代表に選ばれてオリンピックに出ることができました。正直、それが私の夢だったかどうかも分からないんです。でも日々の積み重ねが結果として残ったと、そういう風に思っています」
ガツガツした昔ながらの体育会系とは程遠い。
今どきの女性アスリートとは、こんなにも自然体なのだろうかと驚かされる。
趣味を聞くと、少し考えながら「オフの日はディズニーランドに行くんですよ」と笑顔で教えてくれた。
美容やネイルにもこだわっているという。
「そういうことをしている方が、気分が上がるんです」
オンとオフを使い分けながら、サッカーになると最大限の力を発揮する。
それが彼女の素顔であり、だからこそ活躍ができるということを知ることができた。
2025年6月に浦和から東京NBへ完全移籍。新天地で迎えた25ー26シーズンは前半戦の全試合に先発した。
「環境が変わって、試合で波が出ることが少なくなりました。疲労が感覚的に減って、自分の目の前にボールが転がってくるんです。今までは(ミドルなどの)スーパーゴールと呼ばれるような得点だったのが、ほぼほぼ1タッチで入れるようなゴールが多くなっています」
チームは首位INAC神戸と勝ち点6差の3位。得点ランクではトップの吉田莉胡(INAC神戸)に2点差の2位タイにつけている。
浦和のアカデミー(下部組織)で育ち、トップチーム昇格後は仕事とサッカーを両立。2019年頃には左膝半月板の怪我で苦しんだ時期もあった。
決して順調な道のりではなくても「今」を大切にしてきたからこそ、五輪までたどり着いた。

素顔が素敵な女性アスリート、母と歩む道
怪我から復帰後すぐの2020年シーズンに浦和がリーグ優勝を飾り、自身もベストイレブンに選出される。
すると、翌2021年に日本代表に初招集された。
コロナ禍で東京五輪が1年遅れの開催にならなければ、シンデレラのストーリーは生まれなかった。
「最初はサブ(控え)のサブみたいな立場でした。とりあえず所属チームがリーグ戦で優勝して、そこで活躍した選手だから(代表に)いただけなんです。瀬戸際みたいな人だったけど、また(代表に)呼んでもらえた、また呼ばれた、みたいな感じになりました」
五輪メンバー発表前の最後の試合となった2021年6月のウクライナ戦で代表初出場初得点を含む2ゴール。
滑り込みで五輪代表に選出されると、本大会でも1次リーグ2試合で先発を飾った。
「絶対に(五輪代表に)選ばれたいというガツガツした感じではなかったです。初めて代表に選ばれてから練習に付いていくのが必死で、訳がわからず試合が来て『2点も決めちゃった』という感覚。あの五輪は歓声のない無観客の試合でしたが、代表は周りの反響が大きくて、特別な場所なんだということを知りました。また、もう1回、ここ(代表)でやりたいなあっていう気持ちはありました」
2023年のアジア競技大会ではキャプテンと背番号10を任され、4得点を決めて日本を優勝に導いた。
「小さい頃からジャパンに入りたいという憧れはありました。でもトップチームに上がってからは少し違って、取材の時に聞かれるから『なでしこに入りたいです!』って答えていただけなんです。今まで、1シーズンで4点くらいしか決めたことがなくて、今季の目標も『5ゴール5アシスト』って答えたら、記者さんに『もっといけるんじゃない?』と言われて。それで目標を7点にしたら(前半戦で)8ゴールも取れた。素直な気持ちは『今』をコツコツとやるだけ。試合で活躍し続けられる選手でありたい。『今』の頑張りが、結果として代表につながったら嬉しいですし、自信にはなります」
そして、女手ひとつで育ててくれた母へ。
「今」を大切にしながら、感謝の思いを伝えたい。
「 私のサッカー人生はお母さんが支えてくれているんです。小さい頃からずっと送り迎えをしてくれて、私の試合はいつも見に来てくれます」
飾らない美しさがある。
決して大きな夢を語るわけでも、自分をもっと大きく見せようとするわけでもない。
それでも、素顔の彼女の言葉を聞くと、その魅力を感じることができる。
2026年、きっと彼女の輝きは、さらに増すだろう。
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